確定拠出年金のメリット・デメリット ~年金に関する知識~

ここまでで、確定拠出年金の位置づけとその概要についてご理解いただけたと思います。

自分の責任で運用をし、自分の将来の年金を確保する「自己責任」のカラーが色濃く現れているこの確定拠出年金制度、あなたはどのように感じたでしょうか。

根拠法(確定拠出年金法)について触れた時の、

・企業が給付を確定できない時代になってきたので、自分で運用の指図をして、年金を確保してください

・企業が運用して給付を確定する時代は終わったので、老後の資金は自分でなんとかしてください

という表現をお読みになって、「なんて無責任な!」とか、「これ以上会社に雇われている価値なんて、無い!」と思われた方も少なくないことでしょう。


確かに、今までの確定給付型とは根本的な考え方が大きく違う制度ですのでそう感じるのも無理はありません。しかし違った方向から見ると、メリットだってもちろん存在します。

というわけで、確定拠出年金のメリット/デメリットについて整理してみたいと思います。


【確定拠出年金のメリット】

・加入者自身が運用の方法を決めることができる
 …運用の透明性を求める方にとってはベストです、
  だって自分で指示して運用するのですから

・ひとりひとりの自立意識が高まる
 …これからの時代において、「自己責任」の感覚が必要なのは
  言うまでもありません

・経済状況や投資商品などへの関心が高まる
 …世の中の経済の動きが自分の年金受取額に反映される
  のですから、自然と関心が高まります

・運用が好調であれば年金額が増える
 …一般の投資同様、運用がうまくいけば利益を出すことができます

・年金資産の残高を常に把握できる
 …年金原資は加入者ごとに管理されます

・離転職に際して年金資産の持ち運びが可能
 …転職が当たり前の現代にとって、大きなメリットです

これらは加入者個人のメリットですが、企業側にとってもメリットがあります。
確定しているのが給付部分ではなく拠出部分なので、将来の掛金負担の予測がしやすいことや、掛金を算定するための複雑な計算が不要になることです。
また拠出限度額の範囲で掛金が税控除されるのも大きなメリットです。



【確定拠出年金のデメリット】

・投資リスクを加入者個人が負うことになる
 …リスクの捉え方にもよりますが、今まで企業が負っていた
  リスクを個人が負うことになったのは事実です

・老後に受け取る年金額が事前に確定しない
 …老後の生活設計に不確定な要素が増えてしまいます

・運用のためにはある程度の知識が必要
 …「自己責任」をどのように捉えるかですが、今まで投資の経験が
  無い方は、資産運用の勉強をする必要があります

・運用の結果によっては、年金額が減る
 …通常の投資同様、不確定要素の一つです

・原則60歳までに途中引き出しができない
 …退職一時金としての受け取りを望む方にとっては不適

・管理コストが高い傾向がある
 …今までの一括管理の方式とは違い、加入者ごとの管理が必要
  なのでコストがかかる


じっくり読んでいただければ分ると思いますが、メリットとデメリットは相反の関係にあります。
つまり、あなた自身がどう考えるかによるところが大きいと言えます。

「投資について勉強しなくてはならない…嫌だな」と思うか、
「投資の勉強を始める良い機会になりそうだ」と思うかです。
(同じことがメリットにもなり、デメリットにもなり…ですね。)

確定拠出年金が開始された原因が、将来の年金支給を約束できるような運用ができない企業が多いという現実が発端となっているという背景には、疑問を持つ部分は確かにあります。
事実この制度の特徴でもある、運用リスクを加入者個人が負担する点については、多くの不満の声が聞かれます。

しかし、

・自分の老後は自分で責任を持つこと
・転職が当たり前の社会に即し年金原資の持ち運びができること
・経済や投資について感心を持つことが必要不可欠となること

という点では、確定拠出年金の存在する意義は大きいといえるのではないでしょうか。




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