公的年金のこれから~もうもらえない?~でお話したように、年々、状況が悪化していく公的年金制度の状況を考えると、
「やっぱり、年金保険料を払うだけ、無駄じゃないの?」
と感じるのは仕方の無いことです。
しかし、年金には、「自分の老後の為」以外にも違った側面があるのです。
そこで、公的年金の持つもうひとつの側面についてお話をしたいと思います。
公的年金は支払わない!という主張をする前に、年金が持つ別の側面でもある、遺族年金について知っておきましょう。
【遺族年金の存在】
一家の生活を支える大黒柱にもしものことがあった時、残された遺族は一体何を頼りに生活すればよいのでしょうか?
多くの方が思いつくのは、「生命保険による保険金」でしょう。
日本における生命保険の世帯加入率が90%程度ということからもそれが伺えますし、一家の大黒柱の有事に備えることができる「生命保険」は、とても優れたシステムです。
しかし、残された遺族の生活を守るという観点で、忘れてはならないものがあります。
それは、遺族年金の存在です。
遺族年金は社会保険制度のひとつで、公的年金に加入している人が死亡した場合、その遺族に支払われる年金制度です。
その原資となっているのは、毎月私達が支払っている、いわゆる「公的年金」です。
当サイトでも概要のご説明をしております老齢年金は、自分自身の老後の生活を想定した年金制度ですが、同じ年金保険の中に残された遺族の生活を守る為の制度があることは知っておく必要があります。
遺族年金の存在を意識しないと、必要以上の保険金を確保する為に、一般の生命保険に余分な保険料を支払うことにもなりかねません。
【遺族年金の種類】
遺族年金には、国民年金同様に以下の3種類があります。
・遺族基礎年金
・遺族厚生年金
・遺族共済年金
どの種類の遺族年金を受け取れるかは、亡くなった人の職業によって異なります。
そして、遺族年金が受け取れる前提条件として、残された遺族の年収が850万円未満であることが挙げられます。
<自営業者世帯の場合…遺族基礎年金>
受給対象者
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国民年金に加入している人に生計を維持されてた
子供のいる妻またはその子
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受給条件
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遺族となった妻に18歳以下の子供がいる
(年度末時点)
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受給金額
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基本額792,100円+子供の数×227,900円
(3人目以降は1人につき75,900円)
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*子供が18歳の年度末を越えると子供のいない妻となり、受給ができなくなります
<会社員世帯の場合…遺族基礎年金+遺族厚生年金>
受給対象者
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厚生年金に加入している人に生計を
維持されてた遺族
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受給条件
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遺族基礎年金…自営業者世帯と同様
遺族厚生年金…子供の有無に関係なく妻は一生涯
受け取ることが可能(*)
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受給金額
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遺族基礎年金…自営業者世帯と同様
遺族厚生年金…各個人の標準月額によって変わる
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*:平成19年4月以降は、30歳未満の子どもがいない妻の場合、
遺族厚生年金は5年間しか支給されなくなります
<公務員世帯の場合…遺族基礎年金+遺族共済年金>
受給対象者
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共済年金に加入している人に生計を
維持されていた遺族 |
受給条件
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遺族基礎年金…自営業者世帯と同様
遺族共済年金…子供の有無に関係なく
妻は一生涯受け取ることが可能
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受給金額
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遺族基礎年金…自営業者世帯と同様
遺族共済年金…各個人の標準月額によって変わる
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*:職域共済年金分の4分の3が加算されるので、会社員世帯に比べ2割程度多い
遺族基礎年金の受給条件をよく見てみると、子供のいない妻や子供が18歳に到達する年度末を迎えてしまうと、遺族基礎年金がもらえないことになります。
そこで、遺族厚生年金または遺族共済年金を妻が受け取る場合、以下の制度があります。
<妻が65歳になるまで>
中高齢寡婦加算…夫死亡時に妻が35歳以上の場合で、遺族基礎年金が支給されない場合、40歳~65歳になるまで最大で年額594,200円が支給される
*平成19年4月から、妻が40歳以上の場合に引き上げられる
<妻が65歳になった後>
経過的寡婦加算…65歳から生涯にわたって支給される(最大年額594,200円)
このように公的年金には、遺族年金のような生命保険に類似した側面もあることがお分かりいただけましたでしょうか?
公的年金を、老後の為だけの保険制度だと思われていた方は、少しだけ考え方が変わった方もいらっしゃるかもしれません。
また、今回初めて遺族年金の存在を知った方の中には、生命保険の保険金額を減額できる方がいるかもしれませんよ。
保険金額を減額すれば、毎月の保険料が安くなるのは言うまでもありません。
このように、我々の日常生活には知っているからこそ節約につながる制度というものがたくさんあります。そんな賢い節約の為にも、幅広い知識を得ることが大切です。