以前、暮らしとお金の設計図にいただいたお話について紹介・解説をいたします。
15年前のことですが、私の兄が交通事故で死亡しました。
保険金の請求をする為に、保険会社に連絡したのですが、保険金は支払われませんでした。
理由は、過去の病歴を申告しなかったからということです。
とはいっても、死亡の原因は、事故による後頭部打撲による出血でしたので、納得ができませんでした。
しかし、保険会社は『病歴の申告を怠っていたので、契約自体が成り立っていない』の一点張りです。
私たちは、『病気ではなく、事故による死亡のため、病歴とは関係ない』 と主張をしましたが、結局、聞き入れられませんでした。
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保険料を払い続けてきたにも関わらず、保険金が支払われない。
それも、死亡原因とは全く別のところにある理由で。
このお話は近年、世間をお騒がせした「保険金不払い問題」と同等の内容です。
当サイトにおいても、
保険加入時の「告知」についてご説明をしておりますが、「告知」と「保険金不払い問題」この二つは、密接な関係にあります。
【保険金不払い問題】
<内容の要約>
2005年2月、某生命保険会社による不当な保険金の不払いが発覚した。
生命保険を契約する際には契約者が過去の病歴などを告知する義務があるのに、そのことを十分に説明しないまま保険を販売した。
某保険会社は、これを逆手に取って保険金を不当に支払わなかった。
その後の調査で、別の手口も含め計約3000件の不当な保険金の不払いが判明。
金融庁は当該保険会社に対して「無期限の新規業務の停止」を含む、行政処分を出した。
保険加入時には告知義務がありますが、今回ご連絡いただいたケースでは、結果的には、契約者がこの告知義務を怠ってしまったということになります。
原則から言うと、2年間に限り、告知義務を違反した契約に対して保険会社は契約を解除することが出来ます。
*保険金目的などの詐欺に対しては、保険会社は期限に関係なく保険金の支払いを拒否することができます
しかし、今回の件でポイントになるのは死亡原因です!
告知義務違反の内容とは全く関係のない、外来の原因によるもので死亡しています。
仮に告知義務に違反していたとしても、死亡原因がその内容と、関係ない場合は保険金を受け取ることができます。
今回のケースでは、保険開始から2年以上経っているので、その時点でまず保険会社は保険金を支払わなくてはなりません。(契約者が故意に告知義務違反をして契約をしたのではないと仮定します)
次に、死亡原因と告知義務違反の関連性について。
告知義務に違反している事実はあるが、死亡原因と告知義務違反の内容がまったく関係なければ、保険会社は保険金をはらわなくてはいけません。
このことは、保険の存在意義が、「相互の助け合い」であることからも納得できます。
裏付けとなる商法もありました。
<損害保険に関する商法645条2項但書>
告知義務違反を理由に保険契約を解除できる場合であっても,
「保険契約者ニ於テ危険ノ発生カ其告ケ又ハ告ケサリシ事実ニ基ツカサルコトヲ証明シタルトキハ此ノ限リニ在ラス」と定め、生命保険についても同条が準用されています。(商法678条2項)
どういうことかと言うと、
保険事故(保険金支払いの理由となる事)が告知義務違反とは何ら関係なく発生した場合は、保険会社側が不利益を受けたとはいえません。
そのため、「告知義務」が契約当事者間の利害を公正にする目的であることから、このような場合にまで、契約の解除を認める必要はないと解されます。
したがって、
「告知義務違反の事実」と「保険事故」との間に因果関係が無ければ、「告知義務違反の事実」については考慮する必要はないと解するのが相当です。
実は、今回私のところに寄せられたような保険金不払い事例は少なくありません。
上記の営業停止の処分まで受けた某保険会社の例にしても「組織的に行われていた」と思われてもおかしくない件数の保険金不払いが発覚しています。
3000件を超えていて偶然などどはいえませんので、組織ぐるみと言って間違いないでしょう。
この背景には、次のふたつの原因が考えられます。
1.保険会社の「保険金を払いたくない」という本音がある
…保険金の支払いが発生すると、会社としての利益が減る
2.保険会社の組織について、問題がある
…契約を取る営業の部署と保険金支払いをする部署が別である
…営業員がノルマのために「過去の病歴の虚偽申請をさせて」
契約を取るケースがあった
すると、保険金支払い時に「虚偽が発覚して保険金が
支払われない」ということが起こりえる
まず、「保険金の支払いが発生すると、会社としての利益が減る」という点について
「保険金の支払いが発生すると、会社としての利益が減る」
ということは、
「保険金の支払いが発生しないと、会社としての利益は増える」
ということです。
このように、保険会社の利益が増えた場合は、その利益は契約者に還元されています。(配当金がこれにあたります)
また、「契約を取る営業の部署と保険金支払いをする部署が別」という点について
業種や、規模を問わず、どこの会社でも同じことを言うことができます。
「営業の部署」「製造の部署」または「製品開発の部署」は違います。
そのため、どこの会社でも、
「営業は直近の売り上げの為に、低い利益率で契約を取ってくる!」
「顧客の要望なのに、製造が全然言うことを聞かない!」
「顧客の要望と違う仕様でも、売ってくるのが営業だ!」
という意見の食い違いが発生します。
業種・規模を問わず、どの会社にもある組織の特徴が、保険会社による「保険金不払い問題」につながったということができます。
これはあくまで、保険金不払いが起こる原因の一例であり、可能性を推定した結果のひとつです。
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